地域自然情報セミナー「里やまはなぜ大切か−新しい視点から」
「里山」の保全が専門家によって提唱されてから十数年、近頃では日常の会話の中にも里山という言葉が使われるようになりました。その一方で、実際に里山に関心をもつ人々、里山の管理に係わる人々の間では、里やまへの理解や管理の方針をめぐって様々な考え方があり、あらたな課題が生まれてきているように思われます。そこで、地域自然情報ネットワークでは「里山はなぜ大切か」というタイトルのもとにセミナーを開催し、「里山の自然とはなにか・その現状は・管理の考え方・里山を守るということは」などのテーマのもと、知っているようで知らない里山の自然について、その歴史や成り立ちを学び、その保護と管理について考えていく機会としていきたいと思います。
日時
2007年11月3日(土) 13:30〜16:30 (開場は13時です)
会場
国立オリンピック記念青少年総合センター >>Map、交通案内
センター棟 4階 416会議室
東京都渋谷区代々木神園町3番1号 TEL 03-3469-2525
地下鉄千代田線 代々木公園駅下車(代々木公園方面4 番出口) 徒歩約10 分
小田急線 参宮橋駅下車 徒歩約7 分
ご挨拶 13:30〜 |
増澤 直 (地域自然情報ネットワーク) |
基調講演 13:35〜14:30 |
小泉 武栄 (東京学芸大学、地域自然情報ネットワーク) 「里山の自然を見直す−人間と生物の視点から」 里山というと、雑木林のことを思い浮かべる人が多いようである。そこでの自然観察会では、かつて樹木は20年おきくらいに伐採され、薪炭として使われた、苅敷は肥料として使われ、茅場もあった云々、といった解説がされることが多い。しかしこれは里山の機能の半分を説明しているにすぎない。里山の雑木林は、もともとは下方に続く谷地田の水田に、夏の渇水期に水を供給するために設けられたものであり、谷地田と一体になったものであった。今回の講演では、このような視点から里山を見直すとともに、地域ごとに異なる里山の性格について、地生態学的な視点から紹介する。 |
話題提供1 14:30〜14:50 |
寺井 学 (株式会社大林組 技術研究所) 「武蔵野台地のコナラ二次林の現状」 武蔵野台地上に位置する40 年以上伐採されていない1.4 ヘクタールのコナラ二次林を対象として、1998 年、2000 年、2005 年の3 回、毎木調査(樹種、位置、胸高直径)を行いました。結果、 林冠上部に達したコナラ、 クヌギ、 ヤマザクラの大径木化が進行し、 林冠上部に到達できなかったコナラ、 エゴノキの多くは枯死していたことが分かりました。この林相の変化によって、 林内に多数生育してい る林床植物は、どのような影響を受けるでしょうか? 林内の光環境の測定結果と合わせて考察を行います。 |
話題提供2 14:50〜15:10 |
井本 郁子 (地域自然情報ネットワーク) 「林床植物の適地推定と樹林の管理」 里やまの雑木林は一見すると、どこも同じように見えますが、よく調べると斜面の方向や水分条件によ って、その林を構成する植物や林床の草花の種類が変化します。そこで、地形条件と林床植物の関係を 調べてみると、多くの草花がその生育する地形条件を選んでいることがわかります。このことから、管理によって保護したい林床の植物の生育適地を推定したり、管理後の樹林の姿を予測したりすることができます。その上で、管理に適した傾斜や、拠点からの移動距離を加えて、管理計画を考えます。 |
休憩 15:10〜15:30 |
20分間休憩 |
パネルディスカッション 15:30〜16:30 |
「里やまを守るということ」 |
コーディネータ | 増澤 直(株式会社地域環境計画、地域自然情報ネットワーク) |
パネラー | 小泉 武栄 (東京学芸大学、地域自然情報ネットワーク) 寺井 学 (株式会社大林組 技術研究所) 井本 郁子 (地域自然情報ネットワーク) 高川 晋一 (財団法人日本自然保護協会 保全研究部) |
参加費
GCN会員500円、一般の方1,000円です。
当日会場受付にて申し受けますので、ご用意をお願いいたします。
※参加費用は、会場費および資料費として使用させていただきます。
申込方法
GCN事務局あてに、必要事項を記入した Eメール または FAX でお申し込みください。
必要事項:
1.イベント名 11月3日地域自然情報セミナー「里やまはなぜ大切か−新しい視点から」
2.氏名 (一緒に参加される方全員のお名前をご記入ください)
3.所属 (学生の方は学校名・学部・研究室名、個人の方は「個人」とご記入ください)
4.連絡先 Eメールアドレス
5.連絡先 電話番号 、FAX番号
6.住所
EメールまたはFAXのあて先、その他お問い合わせ先
NPO法人 地域自然情報ネットワーク事務局
Eメール:
Fax: 03-3260-3795