みなさまこんにちわ。
地域自然情報研究会、やります!
今回も、会場とzoomのハイブリッド開催です。
6月30日(日)の13:30~15:30に地域自然情報研究会を開催します。
今回は、国立科学博物館附属自然教育園との共催企画で、モニタリングの現場である自然教育園で行います。
話題提供は、国立科学博物館附属自然教育園の下田彰子氏から、して頂きます。
お題は、
ナラ枯れ被害のモニタリングからみえてきたこと~自然教育園での5年間の調査より~
『2019年4月、自然教育園の2本のコナラが、葉をつけたまま枯死していることに気が付いた。枯死したコナラは、幹に昆虫から穿孔を受けたと考えられる2mm程度の穴があり、地際に木くず(フラス)が散乱していた。原因を特定するため、木片を採取し調査したところ、カシノナガキクイムシ Platypus quercivorus(以下、カシナガと呼ぶ)の穿入に伴うブナ科樹木萎凋病(通称:ナラ枯れ)であることが確認された。』(下田ほか.2020)
遡ること5年前。2017年頃から、関東でもナラ枯れの発生が確認されるようになっていて、東京にもそろそろやってくるかなと思っていた矢先のお話です。この時から、コナラとスダジイを中心とした、ナラ枯れ被害のモニタリング調査を行ってきました。
この後関東でも、爆発的にナラ枯れの被害が広がり、各地でコナラの大量枯死が確認されます。自然教育園でも、ナラ枯れがもたらした変化は甚大で、5年間でコナラの3/4以上が枯死しました。ピークは2021年で、4割以上の個体がナラ枯れが原因で枯れました。ただし、その後枯死率は低下していること、穿孔されても枯死しない個体が多いことなどから、少なくとも自然教育園では、ナラ枯れ被害が収束していく傾向にあると考えられます。
枯死したコナラ
一方で、ただ枯れるのを座して待つのではなく、ナラ枯れ被害への対策も行ってきました。しかし、確立された手法があるわけでもないので、その状況に合わせて、各地の事例を見ながら、様々な試行錯誤を重ねてきました。
カシナガがコナラに穿孔をあけて侵入した痕跡(フラス)
研究会では、モニタリングで見えてきたナラ枯れ被害の実態がどのようなものか、具体的に試行錯誤を重ねた対策や結果とともに、ご紹介します。
実際のところ、ナラ枯れについてはまだまだ謎だらけですが、一連の詳しい調査によって色々なことがわかりかけてきています。
例えば。。。
・枯死の原因は、必ずしもカシノナガキクイムシの穿孔によるものではなく、菌類やウイルスなどのナラ枯れとは異なる要因かも?
・はじめての穿孔でかなりが枯死するけど、それを耐えたら意外と枯死しない?
・穿孔のされやすさや枯れやすさは、コナラのサイズには関係ないかも?
・被害に空間的な偏りがないかも?
この機会に、是非ご参加下さい。
話を聞いた後、園内を見て回る時間もあります。
実際の状況を、ご自身の目で見てみるのもオススメですよ。
>>詳細はこちら
●会場
国立科学博物館附属自然教育園2F研修室
及び
Zoomウェビナー
●参加費
1000円(ただし、GCN会員は無料)
※現地会場で参加する方は、別途、自然教育園への入園料(320円)が、必要になります。
※なお、zoom参加の場合は、下記口座への事前の銀行振り込みとなります。
【 PayPay銀行 すずめ支店 普通口座 2607702 】
また、参加できなかった場合でも、入金後の返金は致しませんのでご了承下さい。
●参加の流れ
・会場の場合
申込 ⇒ 会場にてお支払い
・zoomの場合
申込 ⇒ 入金確認後、当日までに開催アドレスを通知
文責:梶並