みなさまこんにちわ。
地域自然情報研究会のご案内です。
日時は、8月4日(日)の15:30~17:30。
場所は、いつものエコギャラリー新宿。
もちろんzoomでのウェビナー配信も行います。
話題提供は、京都先端科学大学名誉教授であり、痕跡学研究所の原 雄一 氏。
3月末に大学を退職され、現在は大量の資料整理の毎日だそうです。
お題は、
『ブラタモリ的文理融合は学習意欲を刺激する』
実は、大学での最終講義の内容なんですが、研究会でもお話しいただきます。
大学での新規の取り組みの中で、学部横断型や文理連携型と称されるプロジェクトが、近年益々盛んとなってきています。この文理連携型プロジェクトをTVの世界で実践したのが、皆さんご存知のNHKで放送された「ブラタモリ」です。視聴率としての成功以外にも、地理学会、地質学会など、地形・地質に関連する学会からも高く評価され、表彰されたことも、これまでのTV番組にはない特徴です。番組の良さは、タモリ氏の傑出した博学さとエンターテイメント性による部分が大きいでしょう。しかし、番組の骨格を組み立てるプロデューサー、番組スタッフの現地での詳細な情報の収集、ガイド役の専門家の説明、視聴者目線の女性アナウンサー、わかりやすい3Dとナレーション、井上陽水の主題歌など、いずれも秀逸な要素がうまくコーディネートされていた点も大切だったと思います。
原先生は、全国版となって以降すべての放送回を視聴されたそうですが、どの放送回もいろんな学びがあったそうです。普段、地形・地質の専門用語に馴染みのない視聴者にも、繰り返し放送の中で解説されることでこの分野の底上げがなされ、結果として、地球科学、歴史科学、地域科学が融合した永久保存版の動画ライブラリーが完成しました。番組は終了しましたが、このライブラリーの成果を、さらに掘り下げ広げていく役割があるように感じているそうです。
ブラタモリは全国版となる前に、東京地区に限定した放送が続きました。その第1回目の放送は、早稲田大学の神田川のほとりを歩くところから始まります。神田川を境にして、南は新宿区、北は豊島区というのが、私たちのおおまかな認識ですが、このあたりの区境は単純ではありません。この区境の謎を、街灯のデザインの違いというほとんどの人が気が付かないところから、掘り下げていくことになります。この初回放送に、ブラタモリのその後のコンテンツとしての良さがよく表れています。
ブラタモリ263回の放送
263回のうち、もっとも多く放送された場所が京都です。研究会では、その中でも印象的な回をいくつか紹介します。たとえば、京都は平安京の造営以降、都として発展してきたのはよく知られた史実です。一方で、京都御所は、東京に都が遷るまで京都の中心であったことも、史実として認識されています。ところが、この両者の位置が大きくずれていて、御所は平安京の北東隅の端っこに位置しているのです。この謎を解く鍵が、中学校の教科書に出てくる河川が作り出す地形「扇状地」だったそうで、先生もかなりの衝撃を受けたそうです。
御所と平安京の位置
2つのかけ離れた分野のつながりを、可視化していくことで、両者へのこれまで以上の興味を持つことができれば、分野ごとの学習に比べて極めて効果が高いです。ブラタモリ的な手法を他の分野にも試みて、学生たちの好反応を感じ取れた事例がいくつかあるそうで、研究会では、「地名と災害」、「観光と生態系」などに関しても紹介していただきます。
この機会に、是非ご参加下さい。
>>詳細はこちら
●会場
環境情報学習センター 2F研修室(エコギャラリー新宿)
及び
Zoomウェビナー
●参加費
1000円(ただし、GCN会員は無料)
※なお、zoom参加の場合は、下記口座への事前の銀行振り込みとなります。
【 PayPay銀行 すずめ支店 普通口座 2607702 】
また、参加できなかった場合でも、入金後の返金は致しませんのでご了承下さい。
●参加の流れ
・会場の場合
申込 ⇒ 会場にてお支払い
・zoomの場合
申込 ⇒ 入金確認後、当日までに開催アドレスを通知
文責:梶並